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さりげなくニュース9/23

   北朝鮮にたいする核放棄を迫る6ヶ国協議の決議案をめぐって膠着状態が続いた。北朝鮮側の求める軽水炉型原子力発電施設支援に対して議長国、中国の第六次案は、それを将来に棚上げにして、まず、北朝鮮の核の全面放棄を謳った。アメリカ側としては大筋で賛意を表明するところで、後は具体的文言だけの問題であった。9月19日午前中には決着をみる大方の予想であったが、午後に持ち越された。  
 原子力は軍事目的と発電の平和利用について議論の対象になるが、57年に国連のもとに国際原子力機関(IAE)ができた。この機関の目的は原子力の平和利用と原子力が軍事的利用へ転用されることの防止であった。アメリカが、北朝鮮にここまで頑なであるのは、2002年IAEの査察官を国外に退去させウラン濃縮疑惑を浮上させ米朝枠組み合意(ジュネーブ合意)で凍結していた核開発を再開したことにあるとみられている。  
 核の平和利用をしている国は核保有国以外に、日本やドイツ、スウェーデン、カナダ、台湾、韓国など31ヶ国に及んでいる。そのなかでも日本は核保持可能な技術ポテンシャルを持つ国として世界の日本を見る目は厳しい。世界で唯一原爆投下された国として核アレルギーが人一倍強いからといって、将来的に韓国などが核保有国になった場合、我国はアメリカの核の傘の元に保護されているから主権は守られる、などといった恥ずかしい発言を果たしてできるだろうか。日本の核保有意思をどの国も止められないということになりかねない。安保理常任理事国に立候補したブラジルも現在核の保有意思を鮮明にしている状況である。かかる視点からアメリカが北朝鮮の核の平和利用にさえ頑なにならざるを得ない胸のうちを推し量ることができる。  
 原子爆弾製造計画「マンハッタン計画」のプロジェクトに当時の金で20億ドルをつぎこんで3個の原爆を作ったアメリカ.一つはアラモゴード砂漠での実験に使い、残りの2個は、長崎と広島に落とされた。その後、人類史上、一度たりとも投下の事実はない。
 




補論

 マッハッタン計画では、当時の金で20億ドルをかけた。今の金額にして500
億ドルに相当する。ナチス政権のドイツが降伏していなければ原爆はドイツ国内に炸裂していた可能性が大であった。
 現在においては原爆を作るには大学で原子物理学を専攻する学生の知識で充分だと言われている。理論はそうであろうとも、実際作るとなるとウラン235の純度を100%近くにする濃縮設備が必要になってくる。またウランの入手にしても現在はIAEの厳しいチェックが入るので生易しいものではない。

 簡単に原子力の説明
 本来原子核は安定である。だがウラン235のように、原子核に中性子があたると壊れる原子もある。そのとき放射線という核分裂エネルギーが外に飛び出す。

軽水炉型原子力発電施設
 北朝鮮が六ヶ国協議で切った最後のカードが、この軽水炉型発電施設である。
 これはアメリカで開発された軽水炉で、現在原子力発電の主役となっている。