さりげなくニュース2007.4.08


   
消費者物価が前年同月比で0.1%下がった。原油価格の値下がりが物価下落の要因とみられている。3月のレギュラーガソリンは前年8月のリッター平均144円から平均129円に下がっていることに見てとれる。
 中東情勢との関連で見る必要がある。ちょうど一年前、イラン革命防衛隊のサファビ最高司令官が世界の石油供給の生命線でもあるホルムズ海峡の封鎖に言及した。現実にイランのイスラム革命時にアメリカの支配から免れるために封鎖したことがあり、脅し以上のインパクトを諸外国に与えた。封鎖とは機雷を埋めることによってタンカーが通れなくするものだ。その解除には3ヶ月位を要するとみられている。我国の石油備蓄は180日なので、半分は吹っ飛ぶことになる。このホルムズ海峡は世界の石油需要の4割が依存し、中東地域の9割近くがこの海峡に依存している。アメリカのGDPの4〜5%減少となり原油価格にいたっては1バレル150ドル以上に跳ね上がると見られている。エネルギー安全保障の将来にかかわる問題として米、イラン間の緊張は北朝鮮の核の比ではないとなる。北の問題などは極端に言えば中国に外部委託してもいい程の重要度と言っても言い過ぎではない。アメリカにとってはイラン問題はホルムズ海峡の支配権にかかわる重要なことであると認識されている。
 最近親米国サウジの発言がおかしい。サウジアラビアのアブドラ国王は先月28日のアラブ連盟首脳会議でアメリカのイラクへの駐留を不法な占領であると発言している。アメリカとしてはこの発言に困惑を隠していない。また先月の初めにイランのアフマディネジャド大統領がサウジを訪問した動きも歓迎はしていない。9.11テロの実行犯19人のうち15人までがサウジ人であったことが尾を引いているのかどこか少しづつ歯車がずれだしているように感じられる。
 アメリカのイランへの武力行使という選択肢はあるのか。英海軍水兵拘束事件をかかえながらも先月29日上院外交委員会でのバーンズ国務次官の発言は軍事紛争による解決は全く望まないと断言している。また2008年3月までにイラクから撤退すると言う追加条項付きの補正予算を可決している。(上院)(ブッシュは拒否権を行使すると見られている)。中東に対してはこのような流れとなっている。
 ブレアが昔取った杵柄で英米一極覇権を米にけしかけようともアメリカの単独覇権で世界の事を解決するにはアメリカの財政赤字の累積は55兆ドルと重くのしかかり、EUや中国、ロシアの多極覇権主義に切り替えないとたちいかなくなりつつあると見られている。東アジアに関しては韓国に日本との掛け橋をたのみながら中国がリーダーシップをとる資格がありそうだ。残念ながら天皇制と官僚制を維持する変わりに自前外交すなわち対外覇権の拡大を封印した我国には資格はないと見られている。さてアメリカの衰退が日程に上っている現在、我国の方向性は如何にという疑問が当然でてくることになる。中東との橋渡しやアメリカが今後担いきれない部分の世界市場という面からの東アジア市場への貢献という重大な役割も一つだと指摘する向きもある