さりげなくニュース4/23
米国務省は3月1日に世界各国の麻薬取締りに関する2006年度版報告書を発表した。北朝鮮については、国家ぐるみの犯罪に手を染めている十分な証拠があると強調した。
北朝鮮のマネーロンダリング制裁としてアメリカはマカオのバンコデルタアジアとの取引停止に踏みきった。バンコデルタの中の北朝鮮の資産は2,400万ドルと見られているが、これは国家予算の1%の数字でしかすぎない。しかし北朝鮮へのダメージは相当なものだと考えられている。闇市での1ドルは公式為替レートの20倍と言われている。国家予算1年分の20%に相当する金額である。この資金が核開発に投じられたことを考えるとき北朝鮮の核開発継続の意思表示も遠吠えのように響く。しかし、米専門家の試算によれば、北は5年以内に核兵器10発分のプルトニウム生産能力を持つと弾いている。
先頃日本で開かれた会議に出席した北朝鮮の金桂寛(キム ケ グァン)外務次官は「マカオの銀行の凍結資金を我々の手に渡せば、その瞬間に6ヶ国協議の会場に行く」と主張した。アメリカ側としては強行姿勢を崩してはいない。
中国はこの20日にブッシュ大統領とトップ会談をなす。当然北の核問題は話し合われるはずだ。北は食料、燃料の大部分を中国に依存している。いわば生殺与奪権を中国に握られている国である。その中国がこの問題に本腰をいれるならば、一番早い解決が期待されている。
中国のアジアにおけるとまどいは、日本との関係にある。日本はこれまで中国を師と仰ぎ、いろいろな面で吸収してきた。それがここ1世紀の間日本は経済的にも大国化して中国を凌駕してきた。ここにきて、アジアという地域に大国が二つも存在することになった両国のとまどいが色々な軋みとなって現れてきている。軍事力で中国は突出しだした。軍備増強と外洋での活動拡大はアメリカも認めるところで、偶発的な接触事故などを想定した合同軍事演習を近く予定している。この面での主役も中国に移りつつある。政治力の面では、日本が排他的経済水域の境界と主張している中間線を越えて中国がガス田開発を進めようとしている東シナ海問題で協議の終結を待たずに中国側は海底でのパイプラインやケーブルの設置作業をするための船舶の立ち入り禁止をなしてきた。
政治力の第一ステージは日本の国連安保理常任理事国入りを阻止された時点で勝負が付いたように見える。内内に全勢力を費やして小泉劇場なる人気に支えられたうわついた代償が高くついたと指摘する向きもある。
中国の意思でいかようにもなる中国の手のうちにある北朝鮮のたかり外交はどんな次の一手をだしてくるか注目されるところだ。日本のマスコミ分析は徹底的になしているということは良く言われていることでもある。拉致問題をカードとして持ち出してくるのか。
ジャパンマネーを喉から手が出るほどに欲しい北朝鮮の繰り出すところに日本側はどう対応するのか小泉退陣前の六月頃に一つの動きが出てくると指摘する向きもある。