さりげなくニュース3/12

    今月の2日インドを訪問中のブッシュ大統領はインドとの間でインドへの核技術を提供することで合意した。これはNTP(核不拡散防止条約)体制を弱め北朝鮮やイランに核計画の放棄を迫る論拠を失うと懸念されている。アメリカとインドはソフト開発やコールセンターの業務を委託するといった緊密な関係をもっている。インドの急激な経済成長にともなうエネルギー事情もあり世界のエネルギー事情にとっても好ましいことだという点で一致した。それとは裏腹に中国の台頭とも無縁ではないと見られている。中国封じこめとして南アジア地域における安全保障機能の一部をインドに外部委託する動きと見る向きもある。中国は中国で有事を想定した場合、アメリカは当然のごとくマラッカ海峡を押さえにかかると踏んでいる。中東原油輸送ルートとして雲南省とインド洋をミャンマー経由で結ぶ石油パイプライン敷設計画が持ち上がっている。東アジアのお荷物である軍政ミヤンマーと中国のエネルギー戦略上の関係である。
  核で今世界を一番賑わわせているイランと日本の関係もエネルギー戦略上微妙だ。イランのアザデガン油田を2004年に日本は権益の7割以上を確保した。米国から「悪の枢軸」呼ばわりされていたときに経済産業省が強行したという経緯がある。その当のイランは核問題で制裁をかけられようとしている。制裁に同調することによって権益はイランに剥奪されるのは火を見るより明らかだ。はたしてロシアや中国のようなスタンスを日本はとれるか、難しいところだ。    もう一つの「悪の枢軸」北朝鮮の核に係わる六ヶ国協議は開かれずに半年近くが経過した。その間北朝鮮の不正資金のマネーロンダリングでマカオの銀行はアメリカから取引停止処分をうけた。金正日のあわてぶりは尋常ではなく間髪を置かず中国詣でとなったことに見てとれた。日本の大手銀行も遅れ馳せながら先ごろ自主的にマカオ銀との取引停止に踏みきった。  
 原爆を持つということは貧乏国にとってはそれ相応の負担になるはずだ。核弾頭数は現在、アメリカ、ロシアの各八千発弱、フランスの場合では三百数十発。(ちなみに中国の保有数は四百発)。それ程裕福とは見えないこのフランスに持ち上がる核戦力維持負担は年間三十五億ユーロ(一ユーロ、140円)と見られている。財政赤字が三年連続EU基準値のGDP比三%を超えている国に重くのしかかっている。超極貧国である北朝鮮にとって核の管理費がいかほどのものか想像に難くない。  
 ジャパンマネーを喉から手がでるほど欲しい北朝鮮の日本工作はこの夏に向け激しさを増すと見られている。一番恐れる日本の世論に対してはマスコミを徹底分析し、政界工作では要職にあり、口も固く行動も慎重な中川秀直自民党森派政調会長あたりからターゲットを絞り込んでくるであろうと考えられている。
補論
 米国務省は3月1日に世界各国の麻薬取締りに関する2006年度版の報告書を発表した。
 北朝鮮については、国家ぐるみの犯罪に手を染めている十分な証拠があると強調した。北朝鮮は麻薬取引や米ドル紙幣偽造などの過程でマネーロンダリングをなしているという十分な証拠があると指摘している。
 自民党のなかに対北朝鮮経済制裁シミュレーションチームを山本議員を座長として発足させた。北朝鮮への送金を監視する取り組みとなるようだ。
 金と人の動きが不自由になってくるとき、当然のごとく北朝鮮との関係は緊迫を帯びて来ることが考えられる。小泉首相の任期切れ前の六月あたりに、なんらかの政治的動きと進展があると見る向きもある。