さりげなくニュースNo.286
「70年後の人口は半分の6千万人となる。」
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現在のアメリカのシステムが確立した。まっさきに思い浮かべないといけないことは、1945年である。この年に、将来世界の製造業を背負って立つ二大国家、ドイツと日本を保護領としたことである。このことは間違いなくアメリカの政治力と軍事力によるものだ。
今トランプ政権はアメリカの製造業に従事する労働者の誉れ高き復権を声高らかに叫んでいる。しかし当時のアメリカは誰もそんなことは考えたこともなかった。普通の国ならば資産持ちの若旦那でもない限り、買うもの以上に売ることを考えないといけない。しかしアメリカは違っていた。まともに物を作って売るということよりもどんどんと買い捲った。貿易収支は極端な不均衡となった。それでも生活水準を落とすことなくやってこれた。なんということはない、赤字分を自国の紙切れでいくらでもファイナンスできたからだ。このことを称して政治力、軍事力と言わずになんと言おうかとなる。
要はアメリカのシステムとは軍事力と切っても切れない宿命である。その本質を理解しているのかいないのか、現在のアメリカは普通の国になりたがろうとしている。
属国の一つであるドイツはEUというグループを築きフランスの核を共有して安全保障上の憂いをなきものとしている。アメリカの言われるるままに言うことを聞く必要は大分に少なくなってきている。ただロシアとの関係がゆるぎない安定の段階になるといった条件付きではある。
アメリカ白人中産階級の貧困化が始まっている。自由主義経済の行き着く理想としてのグローバルゼーションは当時の非体制順応経済学者には理解されていた。すなわち企業の一国の枠をこえた高利潤行動は、世界の低賃金化とそれにともなう総需要の停滞、その結果としての景気低迷。このことは20世紀の社会主義経済学者やマルサス、ケインズを待つまでも無く理解されていた。
話は変わって、グローバリズムに関してわが国の実態はどうなのか。2014年に日銀による分析的なレポートがでている。日銀ワーキングペーパーシリーズによるものだ。結論を先取りすると、わが国の海外進出企業の海外現地法人の経常利益は約10兆円である。国内全産業の経常利益60兆円と比較しても見劣りしない数字である。
かつての大英帝国イングランドの現在は6,500万人の人口を金融、金市場などで食わせているしたたかさが前例としてあるように、70年後に6,000万人となるわが国の人口問題は、グローバルゼーションで学んでいるように新たな展開の芽も芽生えるのかもしれない。
先進国病でもあるわが国の出生率1.42もフランスに学び数字的には改善が可能である。
2005年に最低の出生率1.26から漸次増加して10年をして1.42までたどりついている。2.1まではもうじきである。もう一押しは、女性が子供を産みたくなる制度に変えていけばいいだけである。婚外婚の子供だろうがなんだろうが手厚い保護をなせばいいということで大方は解決を見る問題だ。極端なら戸籍制度に踏みこんでもいいはずだ。