さりげなくニュースNo.239

最終的にギリシャは軟着陸

プラトン、ソクラテス、アリストテレスを生んだ地、ギリシャはヨーロッパからの支援をめぐって佳境にはいった。

 歴史的にヨーロッパ文化のゆりかごとまで言われたギリシャの国民は国のかかえる負債で最高の緊張を強いられている。

 国がヨーロッパに対して借金を返せるような状態ではないと国民が知れば、彼らの取る行動はおのずと知れる。まず、銀行に預けている預金を引き出すという行動にでる。取り付け騒ぎである。政府は早急に信頼と対策を講じない限り、銀行は連鎖倒産をする。それは金融システムの崩壊を意味し、国内の経済は立ち行かなくなってしまう。

 現在、国内のカードでの引き落としの上限は一日60ユーロ(約8,160円)。いまのところ国外のカードでの引き落としは無制限となっているが、いつ規制が打ちだされてもおかしくはない状況である。

 債権者であるヨーロッパが主張する緊縮財政の主張は至極当然のことである。ギリシャがそれに対して拒否することは、一般的に言って筋違いの要素が大きい。その緊縮に対して国民に選挙で問うというのは、債務問題を越えたギリシャのなんらかの覚悟というものをかんぐられる可能性がある。

 日本の神奈川県よりやや小さな経済規模であるギリシャの債務問題は、大騒ぎしているには些少なものだという捉え方もできる。

 ユーロ圏の壮大な夢である政治的統一、それはほかでもない大帝国の実現に他ならない。それを前にしてギリシャ問題の規模は瑣末であるにすぎない。騒いでいるのは、金を多く貸したヨーロッパの国々の債権者である。その債権者が債権放棄をすれば大方この問題は解決をみることである。

 国際通貨基金IMFはすでにレポートを出している。ギリシャの債務は返済が持続可能ではないという見解を述べている。ヨーロッパ側としては、とにかくその類には圧力をかけて表面化しないようにしている。

 ヨーロッパ側としてはもうとっくに落としどころを心得ているはずだ。支援を渋るばかりに、最終的に340ビリオンユーロ、日本円にして約40兆円がデフォルトされた時のヨーロッパシステムに与える影響は半端ではない。

 今ギリシャでは、緊急の支援がないと国民の生命と直結するものの輸入がままならない状態となっている。また、あらたな資金援助がないと、公務員の給与を初めとして国民の健康維持に向けた資金も枯渇する段階にいたっている。銀行のキャッシュが数日で底をつくといった危機的な状態である。

 こんな中、財務大臣のMr Varoufakisは、二つの顔を見せる。

 ヨーロッパのギリシャにしていことは、テロリズムに他ならないと発言をしながら、強がりも忘れない。オイルの備蓄は六ヶ月あり、薬に関しては四ヶ月の備蓄があると。だが、このところ何百もの工場が扉を締め出しているときに、強がりとしか映らない。

 参考にはならないが夕張市のたどった緊縮とは、市役所職員は300人から120人に減少。軽自動車税は1.5倍。下水道使用料が1,470円から2,440円に、市議会議員の報酬は31万円から18万円に減額。

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