さりげなくニュースNo.245

とてつもなく困難な道のり

ロシアによるシリア空爆

アメリカに代わってロシアがシリアの空爆を続けている。

 先々週の火曜日にロシア、国防大臣の発表として、24時間空爆はこれまでの最大規模で86箇所を攻撃した。

 これまで、アメリカは、インテリジェンスを含めたペンタゴンは500億ビリオンドル、日本円にして優に50兆円以上を費やしたのに、なんの効果も出せず、ただ混沌だけを増幅させたとプーチンは笑っているかのようでもある。

 しかし9月以来シリア空爆を続けてきたロシアの懐具合は、はたしてどんなものか。今年の経済は3.8%の減少である。原油価格の低迷で、国家予算はカットされ続けられている。はたして空爆の継続に耐えうるのかと疑問視されている。

 アメリカは、支持している自由シリア軍の支援という名目で、空から武器弾薬を撒いている。それが、反乱軍の手に渡っているという現実にアメリカはあくまでも支持軍隊への支援ということになる。プーチンとしては、いったい自由シリア軍はどこにいるのだと叫びたいところであろう。巨大な軍事予算をつぎ込んでもますます反乱軍が勢いを増すからくりでもあった。

 ロシアの10月初めまでの空爆地域は広範に亘っている。

 北部、トルコとの国境地帯は、クルドの支配地域で、ここには空爆をなしていない。その南側の支配地域はIsil日本人の首を切ったイスラム国である。アレッポという都市の近辺に空爆している。

 地中海側は、レバノンと国境を接している。この地域は、レバノンの国軍に準じるヒズボラが支配している。ロシアとも意を通じている地域で、ダマスカスの防衛をしている。そのすぐ東側が反乱軍の混合部隊が支配していて、ここには集中的に空爆をなしている。ダマスカスから北東に30マイルから50マイルの地域である。

 非常に危険な地域は、アレッポから南南西50マイルのところにNATOの空軍基地がある。その地域は反乱軍が強い地域である。ロシアはこの地域を空爆しているが、ロシア空軍とアメリカ空軍の思わぬ事故が起こる可能性が高くなっている。その危機管理のためメドベージェフをアメリカに遣わすものの明確な返事を持ち帰ってはいないようだ。

 NATO空軍基地から南60マイルほどにロシアの海軍基地があり、ここは、アサド政府軍の支配地である。

 プーチンは、107日の通常テレビ会見、ロシアへの投資フォラム呼びかけで、シリア問題に触れ、アメリカの非難は、自由シリア軍を空爆しているというものだ。それに対して反論している。自由シリア軍はどこにいるのだと。また、一般市民を空爆しているというものに対しては、一般市民なのか、テロリストなのかの情報を知らせてくれと。

 EUの外務大臣は、空爆は即刻停止すべきであるという声明をだしている。その理由として、紛争の長期化を上げ、政治プロセスを蝕み、また、ラジカルは増大し、人道上も看過できない。

 超過激勢力として名を馳せたアル ヌスラの指導者アブ モハメッド アルジョラーニは、「ロシア軍が我が国民を殺せば我々は彼の国民を殺す。目には目だ」という言葉を発している。

2015.10.25 by K.Wada

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