さりげなくニュース2013.7.14

  
 アメリカ政府による国家的盗聴プログラムを暴露した元CIA職員スノーデン氏の亡命は宙に浮いたままとなっている。何カ国にも亡命を申請するものの、どの国も色よい返事をださない。アメリカは国家の面子をかけて諸外国に外交圧力をかけているものと想像される。アメリカが本気で圧力をかけたら、諸外国の外交上の不利益は甚大なものとなり、誰もがスノーデンという厄介者を引き取りはしない。
 
 アメリカがこれほどまでに剥きになっているにはそれ相応の理由があるのかもしれない。スノーデン氏が握っている情報が想像以上にアメリカにダメージをあたえるものである可能性も否定できない。
 
 ロシアの空港に釘づけのままになっているスノーデン氏をプーチンとしても厄介払いしたいに違いない。米ロ間に犯罪者引渡し条約がないからといって、このまま宙ぶらりんな状況が続き米ロ間にこれまで以上の軋みがでることは誰も望まないはずだ。反米国家であるエクアドルも亡命審査にに時間をかけ続けている。アメリカによる圧力を軽々と跳ね除けるには相当の反米に徹する覚悟が必要である。
 
 わが国は国家による盗聴事件には不感症である。その理由ははっきりしている。足元の三沢基地にあるエンシュロンで完璧に情報収集されているので、いまさらスノーデン事件などといわれてもピンとこない。中国などは、検索エンジンを他国に依存するのではなく自前で持っている。わが国
との違いである。
 
 本題に移ります。
 
 中国のバブル崩壊はカウントダウンに入ってきているのではないかと囁き始められてきた。その兆しは製造業指数に見て取れる。製造業の生産性が昨年の9月から落ち続けている。50という指数は、ここにきて最低の48.2に落ち込んだ。まちがいなく生産性が後退期に差し掛かったことを数字は示している。
 
 中国のシャドウバンキングが大きくクローズアップされてきている。わが国の「住専」問題と似通った類のものである。
 
 銀行の通常の借り入れ、貸し出しとは別に高利回り商品を扱い、一般や企業から資金を集める。いわば裏銀行業務で資金を集め地方政府に貸し出す。地方政府は、返済の見込みもないのに無尽蔵に借り入れる。その残高が130兆円に達した模様だ。GDPの約16%に相当する額だ。
 
 上海総合指数は、下降傾向が続いている。上海銀行間の金利は乱高下を続け一時10%をこえる異常事態に見舞われた。
 
 中国のクレジットはトータルでGDPの200%に達していると見られている。ここ5年内外で少なく見積もっても75ポイントの急増と見られている。製造業生産性の減退、消費低迷、地方政府の巨額の債務、それにシャドウバンキングの存在と何十苦にも、中国経済は苦しめられ始めてきている。
 
 人ごとのように言っている割に、わが国のデフレ対応に死角は無いのか。円安がキーワードであった。このことはアメリカの動きから無関係ではありえない。
 
 アメリカはこの9月にも量的緩和政策QEを見直そうとしている。これにより新たな金融危機に陥り株価は現在の15,000円から12,000円へと大暴落も取りざたされている。円資金への還流が起これば円安シナリオは崩れ去ることになる。
 
 アメリカの中央銀行であるFedの緊縮への舵取り転換はドルの流動性という観点から、世界の諸外国に相当の影響を及ぼすことになる。