さりげなくニュース2011.6.26

 普天間基地移転問題が熱気を帯び、頂点に達しようとしていたときに、わが国に大地震と津波が襲った。
 
 アメリカの駐留基地問題では、わが国の血税がおもいやり予算という名目で、アメリカに支払われていた。このことは、ウィキリークスの、外交機密文書暴露で明らかになった。
 
 わが国の姿勢としては、お金を払ってでも、アメリカの軍隊にわが国の防衛をしてもらいたいと言うことに尽きる。まだ、自立するには、心の準備が出来ていないといったところだ。一方、アメリカ軍の沖縄からグアム移転については、アメリカ議会筋から否定的な意見が噴出しだした。国内の財政事情が悪化して、世界の警察官としての役割にも一定の歯止めがかからざるを得ない国内事情となってきたもののようだ。
 
 中国の将来にわたっての不気味な動きは、わが国にとって決して安心なものではない。アメリカの睨みが減じ始めることは、わが国の不安を一層かきたてるに違いない。
 
 話は変わるが、アメリカとの関係で中東では、親米か反米かの二極思考が、宗派の違いによる区別より大きくなってきている。
 
 エジプトのムバラクは、アメリカにとって手なずけ易かった。現在は。スンニ派のムスリム同胞団の国になりつつある。宗派の違いがあるシーア派のイランと仲が悪くなったかと言えば、全然そんなことはない。エジプト運河をイランの艦隊を初めて通過させている。この点においても、もはや、以前のような親米ではない。
 
 シリアの国内騒動に関してもアメリカは静観を決め込んでいる。ここではトルコの存在価値が大きくクローズアップされてきている。そのトルコにすべて任せきっているという、アメリカの姿でもある。
 
 シリアという国はアサド家が支配している国である。その宗派は国内では極端な少数派である、山岳密教のシーア派のアラウィ派である。この派が支配層を形成して多数派のスンニ派を抑えているという構図である。今、多数派の市民は、自らの権利に目覚めアサド家打倒に立ち上がった騒動と言いえる。
 
 トルコは、アサド家は、打倒されると見通し始めている。国境を隣接するトルコとしては、難民問題で苦しめられるが、それ以上にシリアがアラウィ派とスンニ派による内戦へ突入することが一番に防がなければならない本質の問題点でもある。あくまでもアサド家とアラウィ派を切り離して、アラウィ派に報復しない融和政策が話し合われている模様だ。
 
 アサド家は、アメリカにとって手なずけ易かった。シリアまでもが、国際ネットワークのムスリム同胞団の手に落ちるとなるや、中東戦略はこれまでとは違ったものにならざるを得ない。
 
 リビアに対するオバマの姿勢には超党派の議員から訴訟を起こされている。
 
 1973年に成立したWAR Powers Actに違反するというものだ。この法律では、議会の承認なしに60日、最長で90日軍隊の展開を大統領に認められている。これに違反しているという訴えである。オバマ政権のそれに対する応答は、リビアへの軍事行動は、継続的なものではなく、しかもNATO軍への後方支援であるので、この法には抵触しないというものであった。
 
 最近、リビアの反乱軍には、アメリカの軍人を血染めにかけたアルカイダが、その地位をしめているということが露になった。