さりげなくニュース11/18

   十一月二十日にロシアのプーチン大統領が訪日する。
 大方の見方としては、北方領土の問題で大きな進展は期待出来ない。
 プーチン大統領は九月に国営テレビに出演して北方領土問題に対する発言をしている。
その発言は三つの要旨からなっている。一つは、北方領土はロシアの主権下にある。一つは、国際法で確定している。一つは第二次大戦の結果である、というものだった。自国民向けのメッセージであるということを差し引いても占領の正当性から、あまりにもかけ離れている。
 主権下にあるということは事実である。日本の固有の領土である4島には日本人が住めない地域になっている。現在ロシア人1,400人が住む島である。
 米、英、露のヤルタ秘密協定を念頭に置いている発言だとするならば、国際法上の根拠からはほど遠いものである。第三番目の第二次大戦の結果だという発言にこめられたところの意味するものは、日本軍国主義の侵略行為に対する当然の報いだという感情論の域をでないことになる。
 どのように正当化しようとも根拠のない軍事占領状態であることに変わりがない。
 91年ミハイル・ゴルバチョフがソ連の元首として初めて訪日をなし領土問題の存在を公式に認めた。93年にはエリツィン大統領が来日し「東京宣言」では4島名が列挙され、その帰属問題であることが明確に位置づけられた。97年小渕、プーチン会談では2000年までの平和条約締結の再確認が行われた。アイヌ語で「チュプカ」「日出づる処」問題は、長い、長い道のりとなりそうだ。