さりげなくニュース06.11/12
本部がパリにある「国境なき記者団」による168ヶ国の報道の自由度ランキングが出た。最下位はもちろん北朝鮮である。最悪の言論弾圧国家に変化はなく北朝鮮、キューバ、中国、ミャンマーである。アジアのなかで突出して韓国がここ数年で十数位も上昇させて31位である。アメリカや日本は順位を落としてそれぞれ53位、51位である。
ロシアはどうであろうか。10月7日、プーチン54才の誕生日にロシア在住の女性ジャーナリストが何者かによって自宅で銃殺された。2000年以降少なくとも12名のジャーナリストがロシア国内で殺害されていると米非営利団体「ジャーナリスト保護委員会」が報告している。
プーチン政権による人権抑圧やチェチェン紛争の内情を暴き世界的に著名となったアンナ・ポリトコフスカヤさん享年48才。アパート内のエレベーターの中で射殺された。彼女はゴルバチョフ元大統領が経営参画しているノーバス・ガゼータ紙に死の二日後にはチェチェン共和国における拷問の実態を執筆する予定でもあった。
ノーベル文学賞で俄然注目されたのが「アルメニア人虐殺」問題である。受賞者のオルハン・パムク氏は100万人のアルメニア人が殺害されたことをトルコは認めるべきだと発言しトルコ政府より国家侮辱罪で訴追をうけていた。この問題に関連してフランス国民議会はこの10月「アルメニア人虐殺否定禁止法」という刑事罰付きの法案を可決した。トルコ国内ではフランス製品のボイコットも起こっていると報じられている。
歴史にたいして次のような見解を提示する向きがある。「歴史とは事実なのか、それとも思想なのか」というとらえ方である。
日本の報道自由度が毎年50位前後にとどまっているのは記者クラブ制度との関連が取り沙汰されている。国家による報道操作が行われる危険を考慮にいれてのことだ。あるいは忍び寄る右傾化やテロを感じとっているのかもしれない。
最近、欧米の論客から「言論封殺」という激しい非難が日本にむけられた出来事があった。
外務省認可の「財団法人日本国際問題研究所」の始めた外国人向け日本紹介ページが産経新聞のたった一つのコラム欄で発行停止に追い込まれた事件である。そのホームページには媚中派が喜びそうな副題がついていた。「日本はいかに中国を想像し、自国をみるか」を英文でしたためていた。
ここにきて靖国問題も反日で国内をまとめようとしてきた江沢民氏から合理性と実利性の胡錦濤氏が権力の地盤を強固なものにしつつある段階で落ち着くという見方がある。
胡錦濤氏は党と政府、軍の三権を掌握したが中国の最終重要政策決定機関は政治局常務委員会である。9人中5人を江沢民派が占めている実態があるものの胡錦濤氏の地盤は強固になりつつあると見られている。
言論の自由にも当然責任というものが付随するとともに反政府発言をインターネットに書き込んだ者に懲役8年の刑を宣告する中国のような国もある。