さりげなくニュース2011.10.30

    第二次大戦後、世界経済を構築しつづけてきた超大国アメリカ。今、普通の国になろうとしている。この過渡期に遭遇している、わが国を含めて近隣諸国は、笹船のごとく、強風に翻弄されている。
 

  1%の者が富の大多数を独占しているのはけしからんと、ウォール街にデモをしかけるアメリカの姿がある。10%近い失業率は、現政権に、ずしりと重荷になっている。あのソ連でさえアフガン戦争一つに従事したことが、ある一定の引き金となりデフォルト、国家破綻をした。
 

  アメリカは、イラク、アフガニスタンと同時に二つの戦争に10年間も従事し続けた。総額100兆円を費やし、何百万人もの中東人を5000人程のアメリカ人の生命と引き換えに死に追いやっている。単純に生命の値段の差は200倍である。
 

  このオバマ政権が攻撃に転じようとしているのが、二国間貿易協定である。韓国とは協定にこぎつけ、後は国内での承認を待つのみである。だが利害の対立する項目を多々かかえて、すんなり協定が実効力を発揮するのか予断を許さない状況だ。わが国のマスコミの論調は、米韓の蜜月に嫉妬するかのような論調が目立つ。流行に遅れじと、わが国もわが国も、の発想であろうか。話はちょっと余談にになるが、わが国のマスコミにおけの最大といってもいい汚点は、かつて、わが国の大新聞社のトップがCIAからコードネームを冠された情報提供者であったという暗部である。こういう例がかつてあったということは、現在においても、国内において、アメリカの影響下にある人物が各界に散りばめられていることが想像される。政界では、首相レースから一歩後退した民主党、前外務大臣などは、小沢に関する発言で、ウィキリークスで暴露されてもいる。
 

  話を二国間貿易協定にもどる。韓国は対米自動車の輸出は70万台であ。アメリカからは数千台にすぎない。韓国は5〜20年後には、農産物の関税を撤廃する。車の輸出をもっと伸ばすために農産物を犠牲にするメリットがはたしてあるのだろうか。国民を納得させるには困難をともないそうだ。
 

  アメリカがドーハー・ラウンドという多国間貿易交渉に背を向け始めた。二国間交渉のFTAや太平洋エリアを巻き込んでのTPP交渉に軸足を移し始めている。ここは、冷静にアメリカの意図や利害関係を吟味する必要がありそうだ。
 

  農産物に関してアメリカの是正すべき点は、農産物への補助金の是正であった。一方わが国への是正点は、高い関税ということであった。TPPという名称のもと何カ国間の協定ではあるが、本命はわが国の市場をどうこじ開け、アメリカの雇用増加と、貿易赤字の解消につなげるかということに尽きる。オバマの最も頼れる経済顧問であるウォーレン・バフェットの処方箋は、貿易赤字解消に向けて、輸出で稼いだ以上の輸入をしない。そのステージまでもどることが価値あることだ。そういう進言をしている。サムエルソンは、ばかげて、狂気の沙汰であると切り捨てる。コロンビア大学のジャディシュ・ブフゥグワティは、オバマがこっそりと二国間に歩くことなどせず、ドーハーラウンドを成功裏に進むことは、今からでも遅くはない。オバマを間違った方向から引っ張り上げることが大切だと論述している。
 

  今回とりあげたかったものは、ジャスミン革命におびえる北朝鮮であった。チャウセスクが処刑された1989年金日成は、国外逃亡用のヘリコプターまで用意していた。カタフィー大佐が射殺前に命乞いする映像を見て、金正日は何を思うか。この主題は、http://yumin.tyo.ne.jp/11.10.30.html