さりげなくニュース2011.10.09

   この9月には物理界に激震が走った。ニュートリノという質量をもつ物質が、光速を超えた、という発表がなされたからだ。これは、原子力発電、原子爆弾、はては、宇宙航行における、時間の揺れ計算等等、現代の物理の基盤を形成したアインシュタイン理論の根底にアンチテーゼをつきつけるものだ。このあまりの意外な実験結果に、当の欧州合同原子核研究所(CERN)の国際研究チームは、実験結果のデーターを発表するのみで、コメントを一切控えている。追検証を他に委ねる姿勢をつらぬいている。
 

 CERNの「OPERA実験」室から発射されたニュートリノ粒子はアルプスの山々の地中を通って730Kmの旅をつづけた。所要時間は、光速の0.0024秒より1億分の6秒早く到達した。
 

 光速は真空中299792458m/s(憎くなく二人寄ればいつもハッピー)。ニュートリノは光速よりも7,400Km/s早く299799.9km/sを記録した。
 

 CERNチームは、あらゆる角度からミスの検証に半年をかけて15,000回の実験結果の重みを携えて発表に踏みきった。
 

 アインシュタインの考えの基本はエネルギーと質量の変換数式にあった。質量のあるものに加速度をつけるにはエネルギーを必要とする。光速までもっていくには無限大のエネルギーが必要になる。だから質量のある物質は光速にはなりえないという考えが根底にある。
 

 CERNの実験が瑕疵なく正しいものだと検証されたならば、質量のあるニュートリノが光速を超えたことになり、アインシュタインの理論は不都合なことになる。
 

 アインシュタインが物質は光速を超え得ないとした理由に、早く運動している時には、時間は遅くなるというものがある。光速になると時間の進みはゼロになり、光速をこえると時間は過去に進むことになる。こんなばかげたことはないから、光速をこええないという計算になる。
 

 余談になるが、音の世界で考えてみたい。音速より早いジェット機は現実にいくらでもある。ジェット機のパイロットが次のように発声していく。「あ  い  う  え  お」
聞く人には、「お  え う い  あ」と順番が逆になって聞こえるはずだ。
 

 俄然、世界は面白みを帯びてきた。アインシュタインの相対性理論を残しながらこのニュートリノの振る舞いを、どう適合させていくのか。現在われわれの住む世界は三次元の世界である。四次元、五次元の世界は、立法体が立方体を抱え込んだような空間世界ではないかともいわれているが、我々の感覚器官は、三次元の縦、横、高さしか感知できないから感覚的には把握できない。数学者のみが知りうる世界でもある。この多次元空間をニュートリノが通ったとして理論構成される可能性も十分ありえる。
 

 まったくの余談になるが、二次元空間に住まう生物は、高さ感覚がない。平面だけを理解できる。彼らに我々の三次元空間を知らせるには、立方体の展開図を示してやればいいが、感覚的には理解できないはずだ。我々三次元空間の人間が二次元に押しかけたら、彼らにはどう見えるだろうか。巨大に覆いかぶさる平面の進入と写るはずだ。
 

 さらなる余談になるが、私見として、西洋の論理学の基本中の基本である「同一律」は同一次元でのみ成立し異次元間では不成立。ここから進展させて、無限大の宇宙は1mmの空間に住まわっているを論証してみたい。(暇な人のために)
http://yumin.tyo.ne.jp/11.10.09.html