さりげなくニュース2010.9.12
民主党の代表選挙が戦われている。候補者二人が面と向き合って自説の主張を展開している。今月5日の日曜討論では二人の違いが鮮明に浮き彫りになっていた。小沢元幹事長の主張は安易に増税に頼るのではなく、地方に財源の支出権限を一任することにより無駄を省くことが出来るという論旨である。一方の菅首相においては、増税を視野に入れた足元の健全化をめざしているように受け止めることができた。具体性という観点からは小沢氏のほうに軍配があがりそうだ。
菅氏は雇用に始まり雇用というフレーズを特に強調している。これは、中間選挙を二ヵ月後に控えたオバマの雇用、雇用、雇用の連呼を思い出してしまう。現在の我が国の完全失業率は5.2%である。一方のアメリカのそれは、10%になんなんとしている。とくにラスベガスのある観光のネバタ州の14.3%を筆頭にアーノルド・シュワルツネッガーのカリフォルニア州の12.3%と続く。教師や公務員の人員削減に突入している州でもある。この完全失業率の数字を比べてアメリカが雇用を連呼する必然を読み取ることは至極自然なことである。だが、我が国にあって雇用をことさらに現時点で連呼する意味はどこにあるのか。雇用は、経済の活性化と対で論じうるテーマである。アメリカの議論は二大政党間で、ブッシュ減税をどう継続するのか、あるいは、共和党の反対する裕福者から増税をなして、中産階級の減税を厚くする等々議論のうえに成り立った雇用というフレーズがあった。
景気刺激策で失業率は8%に押さえ込めるといった期待はもろくも消え去り、景気刺激策は裕福者を益するに終わったという囁きさえ出始めているアメリカ。とにかく失業のペースはすごい。7月に発表された雇用統計では、181,000人が労働市場らかドロップアウトした。
菅氏の経済方策は、少し軽い印象をぬぐい得なかった。
これまで秘密のベールに包まれていた中国の外貨準備の各通貨別割合が発表になった。2.4兆ドルの三分の二をドル所有しているが、ドルの価値が減じつつある中、多様な国際通貨制度を模索し始めている。また米国債を年初に8,948億ドル所有していたが6月には、8,437億ドルに減じている。韓国の国債や、日本の国債を買い求め始めている。
アメリカの一極支配体制に翳りが出始めているかのように、イランの言葉の攻撃は激しさを増している。イスラエルのイラン核問題にかかわる攻撃に対しては、イスラエルの核施設を攻撃すると宣言している。また中東地域にはアメリカの駐屯軍事基地がある。2,000名弱駐屯しているバーレーンを初め、サウジアラビア、カタール、オマーン、アラブ首長国連合である。イランがイスラエル、アメリカとの紛争になれば、真っ先にこれらの米軍基地が攻撃される。まちがいなく、各国を巻き込んだ中東大戦争に発展することは高い確率で予想される。
現在のイラン公式見解としては、核はあくまでも将来のエネルギー需要のためであると力説している。決して核兵器を目指してはいないと断言している。
ところが2020年までに核融合施設建設計画を発表している。あるいは、来年からのプラトニウム濃縮を自前で手がけることなどからみてイランの核兵器への関心は、可能性は非常に高そうだ。