さりげなくニュース2010.7.25
不景気の予感がじわりじわりと迫り来るような不気味さだ。アメリカに関しては重要な二つの指標がある。その一つは、景気先行指数であるECRIがマイナス9.8に今月の中旬に落ち込んだ。これはX字回復が終了した、ととらえられる。もう一つの数字は2年ものの国債の利率が史上最低の0.5765%に下落した。16日金曜日のことであった。
景気に対処するアメリカがEUとの対比で、最大の強みは、財務省が銀行システムを支えうるということと、国家が団結しうることがあげられる。一方のEUの場合は、主権国家が集って一つの連邦ないしは、国家になろうとしている途上なため、各主権国家に利害が発生し、その調整に戸惑っているというのが現状である。4400億ユーロの救済基金一つとってみても各国がその分担金を払えるのかという問題も出てきた。行き着くところはドイツにすべてが重くのしかかることになる。この問題ではドイツ憲法裁判所の判断を待つことになる。
若者の失業率が40%のスペイン、35%のスロバキア、29%のイタリア、26%のアイルランド。ちなみに我が国の若年層の失業率は全体の倍くらいなので10%前後で推移していると考えられる。
このEUの団結を揺るがしている国々の成長率は零パーセントであり、生産高はピーク時の14%も落としている。こういう状況の中にあってもユーロ当局には緊縮を目指す動きが根強くある。
EUの団結に水を差すことが起こった。スロバキア新政権は、救済基金には参加するがギリシャの救済には加わらないという動きである。それに対してEUの根底を見つめ直そうとする発言もある。
金なんか問題ではない。我々は民主主義のネットワークとしてのユーロゾーンを見つめる必要がある。主題は政治的リズムなのだ。(Telegraph:18
Jun 2010)
世界銀行と並ぶ地球的金貸し機関であるIMFが最近ここぞとばかり存在感を出し始めた。IMFといえば、金は貸すけども財政規律をしっかりと保って無駄遣いをせずに励めと、教訓を垂れることで有名である。その国の文化的状況などおかまいなしに、主義を押し付ける。確かに金を借りた国家は着る物も着ずに借金返済に励むのが筋かもしれない。最近IMFが融資をストップした事例としては、ハンガリーの新政権に対してである。新政権の財政プランがなっていないということで、200億ユーロの支援策を劇的に取りやめた。これは、EUもからんでの支援策であった。
ところでIMFと我が国との関係で紙上を賑わしたのは、IMFレポートとして、我が国は消費税を15%に上げる必要があるというものであった。
なぜこのようなレポートがでるのか。IMFへの出資金は我が国はアメリカについで二番目であるという事実。それに幹部である副専務理事には篠原尚之元財務官が就いている。彼はといえば、先のG7の会見で中川財務大臣が朦朧会見をした、そこに同席した人物でもある。大臣の補佐役としての役目を果たしたのか疑問のもたれるところでもあった。中川氏はそれが原因の一端なのか生命を断っている。もう一人の財務省の主役は、世界的権威の組織体へと天下っている。
体のいい財務省の天下りポストがIMFである。財務省が権威の権化にレポートさせたと疑ってかかってもよさそうだ。