さりげなくニュース2010.3.28
民主党の支持率が激減している。政権交代の劇場をみせつけてくれた「仕分け作業」を復活させているようだけれども、最初の仕分け作業に見た熱狂は無い。
金にかかわる首相と幹事長の問題がこれほどまでに支持率を低下させたのか。あるいは、それだけの問題かと、疑問が沸く。就任当初取り上げられた鳩山論文は独立国家としての凛とした風格さえ漂わせていた。それが現在では普天間基地問題を初め対米外交ではアメリカに対して不信感を抱かせるだけのアメリカの思いのままの結論へと終結しそうである。
官僚からの政治の主導権をとりもどそうという当初の意気込みは尻つぼみに終わることがほぼ確実になった。事務次官のポストを廃止するというとてつもなく本質をついた方向性は官僚側の肝を潰したはずだ。 国民はしっかりと本質を見抜いていることに驚かされる。みんなの党の支持率がぐんぐんと上がってきている。この現状は良きにつけ悪しきにつけ小沢氏が政治生命と引き換えに霞ヶ関やあるいは、アメリカ側と手打ちをなしたことにつきるという大胆な仮説をたててみたい誘惑にかられてしまう。
横道にそれてしまった。今月17日AP通信によると、世界銀行は、今年の中国の経済成長率を9から9.5%との予想をたてた。それとともにインフレへの警戒を呼びかけた。中国当局の発表では、この2月のインフレは、2.7%で今年中には3%になるだろうと見ている。。
温家宝首相は中国の発展にとってインフレ対策が重点項目であると発言している。これ以上の所得格差と腐敗が共産主義体制の危機になると言う強い危機感を持ち始めている。
かつてアメリカが我が国になしたような虐めが今、中国に始まっている。どういうレッテルを張られて非難されているのか。それは、表立っては言わないが、通貨操作国家という一字に集約される。中国は輸出に有利であるがために中国の通貨である元を低く維持する政策を取っている。安い中国製品が全世界を席巻するという結果になる。世界から仕事場が失われ失業者が増える。現にアメリカは失業問題がただならぬ段階にさしかかりつつある。ハローワークで仕事を探している人に探す意欲さえなくした人の数まで加えた失業率(U6)は16.8%になっている。オバマ大統領の最高経済顧問であるサマーズがダボス会議でぽろっと口を滑らした次の言葉に対中国問題を言い当てている。「自由貿易論争などは重商主義国家との取引上では無意味」。中国は貿易で稼いだ黒字でせっせと諸外国の国債、証券、債権を買い捲り元のデバリュウー、低い元の維持に努めている。
かつての赤字国大英帝国イギリスが帝国内特恵関税に引きこもったようにアメリカとの経済最終戦争はアメリカ市場からの中国締め出しも考えられる。そうならないための知恵を両国は模索する段階に来たようだ。かつて世界のGDPの5〜6%の黒字を溜め込んだ国は20年代のアメリカと80年代の我が国の二国しかない。やがていずれも不況に突入した。
19世紀欧米から蹂躙された中国の屈辱はけっして拭い去れないものに違いない。ケ小平の下、資本主義経済を手に入れ今、大国ともてはやされてはいるものの、アメリカの同盟国日本や、いざとなれば同盟国となりうる韓国、ベトナム、インドに囲まれている現実がある