さりげなくニュース2010.1.31


 小沢民主党幹事長の検察による事情聴取が先頃行われた。
 
 小沢氏の政治理念はどこにあり、何を優先順位の上位に位置づけているのか。氏の強気の際に見せる表情や弱気のの際に見せる表情に、はっきりとした違いを見て取れる。
 
 小沢氏の頭の中を誰もうかがい知ることはできない。しかし、氏がやけにむきになる所や言葉のトーンにぎこちない硬直さが増す所を注意深く観察するなら小沢氏の思いの力点をうかがい知ることができるかもしれない。
 
 仮説的な言動で大変に申し訳ないが、小沢氏を理解する最良の方法は、直感に頼った見方が一番確かなのではないか。
 
 東北、かつての日本のチベットと言われた程の後進県岩手県の出身である小沢氏の全体のドン臭さは到底、湘南育ちの石原東京都知事のモダンタイプや、軽薄さかげんが半端でない小泉前首相とは相容れないものがある。とにかく全身からスマートさの欠片もないタイプである。その象徴が4億円の箪笥保存である。政治的一族関係でもある金丸前副総理の金塊事件と相通じるものがある。精神もハンサムでないものだから泥臭さの象徴としての札束や不動産への飽くなき依存なのかもしれない。ちょっと横道にそれてしまった。
 
 藤井財務大臣の健康を理由とした辞任があった。彼は、民主党のなかにあって、つとに冷静であった。経済にあってはむしろオーソドックスさをにじませながら民主党の社会保障支出に歯止めを見据えていた。経済においては、玄人受けのするものであった。民主党のめざす方向とはやがて衝突するのは誰の目にもはっきりしていた。これは、後任の菅財務大臣の真逆のスタンスを見れば、はっきりする。かつて、適正な為替レートに言及して菅氏は、トヨタ、東芝、ソニーなどの輸出業者にとっては95円位がいいと発言している。ポピュリストであり、財政刺激策の推進に熱心でもある。次の選挙までにはどんどん量的緩和政策を打ち出すものと見られている。この意味では日銀を氏の意図のもとに従わせようとなすスタンスが見え隠れする。
 
 ところで、我が国の現状はいったいどういうところにあるのか。一言で表現するならば、日本国債のリスクプレミアが引き上げられる可能性があるということだろうか。民主党が政権を取った2010年財政赤字はGDPの9%になんなんとしている。累積では、IMFによれば国債発行額はGDPの227%に達するだろうとみられている。現在10年債の利回りは1.34%であるが数パーセント上昇するだけで財政負担は巨大なものになると見られている。それらを減少する人口で賄っていくしかないとなる。昨年75,000人、人口は減少している。また特筆すべきは、かつて14%もあった貯蓄率が現在では、あの消費国家アメリカよりも低い2%近くまで下落している。だからといって、このデフレスパイラルに手をこまねいている日銀を正当化しうるというものでもなさそうだ。国際的にはこの異常な債務の削減開始を議論のまな板に乗せようともしない姿勢が、異常に映るもののようだ。
 
 再度横道にそれるならば、小沢のDNAが民主党に注入されたとするならば、それはなにであろうか。選挙のためならば手段を選ばない。永住外国人に地方参政権をあたえるという問題。トップダウン式の独裁的手法。金が力であり、数が力であるという田中角栄以来の信仰であろうか。