さりげなくニュース1/27
先頃ロシアのプーチン大統領訪日に際して北方領土問題は軽くあしらわれたことに最近のロシアの勢いというものを感じてしまう。
八八年に原油価格が大暴落し、1バレル10ドル台となった。まもなくソ連体制は崩壊したという事実がある。崩壊には複合原因があるものの原油価格の暴落は大きな要因であると見られた。現在ロシアは石油、天然ガスの埋蔵量で世界一である。それを武器に最近の石油価格高騰のもとで国家財政を磐石なものとしている。投資適格であるBBB(トリプルB)の格付を与えられている。
年初め早々、原油や天然ガスを武器にしたロシアの外交戦略をまざまざと見せつけることとなった。欧米の方に目が向いているウクライナのユーシェンコ政権に対して値上げ交渉の不調を理由にガスの供給停止に踏みきった騒動が記憶に新しい。
9割近い中東への石油依存している我国にとってエネルギー供給源を限定する怖さをみせつける事件でもあった。
我国は1次エネルギーに占める石油依存度は50%であるがそれを40%に下げる数値目標を経済産業省はまとめた。100%石油に依存する自動車などの運輸部門においては、燃料電池や天然ガス、植物由来のエタノール燃料を視野に入れ始めた。堺屋太一氏が経済数値を駆使して描ききった小説「油断」が示唆的だ。エネルギーが枯渇した日本社会の恐怖を思い浮かべるまでもなくエネルギー問題は決して瑣末なものではない。中国の需要急増などで激化する国際的な資源確保競争は始まった。エネルギー安全保障への取り組みが急務となってきた。