2009.9.9.29


  「鳩山政権維持には危険がいっぱいだ」

 鳩山政権は無事に外交をこなしたかに見える。
一方今回の選挙で敗れ去った自民党の総裁選が終わり
自民党もようやく体制が整い、参議院選に向けて先陣が整ったと言うところだ。
 
 民主党内には、かつて前原氏を筆頭に対米従属の思考をする勢力があったが、当の前原氏は大臣に抜擢され、なんらか小沢氏との間で考え方の調整がついたものと想像される。すべて順調であるかに見える。反米的言動ととらえかねなかった鳩山氏が政権について10日にしてアメリカ大統領と会談におよんだ。アメリカにしっかりと尻尾をふった安倍元首相が大統領との会談にこぎつけたのには相当の日時がたってからであった。麻生氏、福田氏しかり。ただ民意を反映していなかった首相と言うことを差し引いても完璧にアメリカから無視されたものであった。それにくらべたら今回の政権は300議席という過半数の支持を得た民意がバックでささえているから、アメリカとしてもむげにはには扱え得ないということであろうか。
 
 対米従属に利害関係を有する勢力は、陰にかくれているだけで宗派変えしたわけではない。耽々と出番を狙っている。手始めは、北朝鮮問題あたりから攻め込んでくるものと想像される。北問題がアメリカとすんなりいい方向に進展するすることは対米従属派にとってはおもしろくないはずだ。アメリカがしっかりと我が国を守ってくれる大義名分を失ってしまうからだ。
 
 対米従属派にとっては我が国と北朝鮮は永続的に緊張関係にあったほうがいい。拉致問題については、かかる視点から捉えることも重要になってくると思われる。
 
 順調そうに見える民主党政権の崩壊は、案外そう遠くないところで起こってくる可能性がありそうだ。なんらかの失政を機にスキャンダル攻撃があるかもしれない。守勢にあった勢力はここぞとばかりにマスコミを巻き添えにして総攻撃にでないとも限らない。小沢氏の性格からいって、ばかばかしくてやってられないと、投げ出す場面があるかもしれない。
 
 脱官僚という言葉の奥には、対米自立という意味をも含んでいる。戦いは始まったばかりである。決して、順風満帆ではない。鳩山氏の外交ブレーンは腹の座った鋭利な頭脳の持ち主であって欲しい。崩壊政権にならないための必須な人材である。内政に関しては、よほどの攻撃材料が発覚しない限り小沢氏が束ねることが出来る。
 
 対アメリカというときには、中国が先生である。ケ小平の遺言でもある欧米からのチャチャ入れには決して過剰反応してはならない。じっと耐えよ。それをしっかりと守り通してきた。
 
 ドイツの興隆と第一次世界大戦が関連していたように今中国の興隆であり、時代背景的には第四次世界大戦といってもおかしくない。歴史に悪しく学べばそうなる。中国は慎重にも慎重であるべきことは骨の髄までわかっているはずだ。そういう観点から鳩山氏の東アジア共同体論の持ちかけには、中国としては、うん、そうだね、というしかない。おのずから大国と属国の違いが歴然と見え出した思考そのものだ。