2009.907




 「鳩山さん、対外政策ではどう動くの?」

 アメリカにべったりな外務省を責めるわけにはいかない。時の政権がアメリカに対して属国のように振舞っているのに、いやそれは違うなどと新たな政策を官僚が提示しようものなら、国是に反することならば首を覚悟で進言しなければならないだろう。戦後、国体を維持してもらい領土返還における秘密取り決めを初めとして、しがらみでどっぷりと運営されてきた64年であった。
 今回の政権交代でしがらみ体制は一応白紙にならなければならないのに、アメリカ側はそうは、思ってはいない。普天間飛行場の県外移転に関してメア国務省日本部長はいっさい聞く耳をもたないといった理不尽な発言をしている。自民党政権との取り決めをあたかも永遠なる日本との取り決めであるかのような意識である。まったくの属国扱いである。
 地位協定はアメリカが戦争で勝ち得た戦利品であるからして、そうやすやすと手放すはずはない。それはロシアが北方領土を返還しないのと同じことである。ドイツは第一次大戦での戦争賠償に大いなる不満をつのらせ第二次大戦へとつながっていったように、64年すぎても戦勝国のエゴというものは戦争に関しては消えないのも現実だ。悔しいと思うならば力で取り返してみろよ、というのが偽らざる国際政治の現実なのかもしれない。