2009.9.7.27





  「麻痺した頭には安保体制50年も心地いいのかもしれない」

 
もうまもなく日米安保締結50周年を迎える。

 ルース新駐日大使が、もうじき赴任する。どんな政権になっても日米関係は維持する。これがルース氏の発言であった。
 
 オバマ大統領の日本に対する関心事は米軍基地ををしっかりと確保すること以外は何もないと言い切ってもそう的ははずれていないような気がする。現在経済成長率は欧米先進国の中で最悪である。経済力もたいしたことがない、かつ軍事力にいたっては大国ではない。あまり魅力のない国になりつつある。
 
 想像するにアメリカは我が国が軍事力をつけることを望んではいない。アメリカにとってなんのメリットもないからだ。毒にこそなれなんの薬にもならない。しいて利用価値があるとするならば、中国に脅しをかける手段としては有効なのかもしれない。中国さんよ、あまり協調性がないと隣の国に核武装させますよ、といった脅しである。我が国も芯の部分ではシャキッとしないとあらぬ方向に誘導されかねない。そんな危険は常に付きまとっている。
 
 アメリカは間違いなく我が国の軍事化を望んではいないはずだ。ただ軍事基地をおもいのまま日本に置けることだけは、譲れない一線のはずだ。それが国体維持と引き換えに時の政権がアメリカに同意したことだからだ。悲しいかな、50年たっても占領下にあるという現実は否定し難い現実である。軍事基地の使用以外にも、あるときはキャッシュ自動販売機としての役目も引き受けなければいけない。

 だがそう悲観したものでもない。アメリカの国力が相対的に低下し、インターナショナルな警察官を続けることが困難になったとき、日米安保も変わったものになっているのかもしれない。