2009.9.7.24
「クリントン、イランの核に噛み付く」
タイを訪問中のクリントン米国務長官は、当地で厳しい演説をなした。
イランが核保有国になったらアメリカは、カタワにするようなアクションをイランに起こすと言ってのけた。
オバマ大統領のこれまでの融和政策から180度転換したような発言であった。イスラエル当局はこの発言を分析して、イラン選挙後の強硬体制を意識するあまり、の発言であろうと。
クリントン氏の言わんとするのは、ペルシャ湾岸諸国に対する覇権はこれからもアメリカが引き受けるというメッセージである。イランが核の力をひけらかして、アラブ諸国に嚇しをかけようとも、アメリカはこの地域に核の傘を被せる用意があるという主張でもある。おまえさんが、核をもっても無力というものだということを暗にほのめかしているかのようでもある。
東アジアにおいては、徐々にではあるが中国に覇権が移行しつつあるが、一方ペルシャ湾岸地域においては、イランが覇権国であることを名乗り挙げようとしている。それに対してアメリカはまだまだ譲り渡そうとはしていない。そこに今後の紛争の種が残されてある。
イスラエルの核に対してはおとがめなし、インドの核に対しては、なし崩し的な承認とアメリカのダブルスタンダードがまかりとおっている。
それもこれも中東でのイランとの覇権争いがからんでいるために、きれいごとではすまないアメリカの現実というものがある。もう一点くわえるならば、イスラエル可愛さということもありえる。