2009.9.7.17


 「イスラム世界を敵に回しそうなウイグル問題での中国」

新疆ウイグルでの暴動事件は、我が国で報道されているよりは、
相当に深刻である。
 
 トルコのエルドガン首相は中国の強行措置をジェノサイドという非常にきつい言葉で
中国を非難している。外相は中国製品の不買運動を国民にアピールしている。
 
 イランにあっても強い非難の声をあげている。ところが貿易その他で中国としっかり結びついているアラブ諸国の大半は沈黙をたもっている。こういうところに現状での中国の中近東における
立ち位置を垣間見ることができるようだ。
 
 トルコがウイグル族にシンパシーを強く持つのもうなずけることだ。新疆ウイグルといえば、かつての大帝国オスマントルコの支配者テュルク系民族の発祥の地でもあるからだ。当然ウイグル族
には、騎馬民族の血が流れている。その誇りをないがしろにするような文化政策をとるとき、
今回のような暴動に連なる。

 首府ウルムチを漢族が過半を占めるようになった今、中国の人口の浸透力のすごさを顕にした。ロシアは本能的に中国のかかる人口パワーを非常に警戒しているとは良くいわれていることだ。だが、新疆ウイグル自治区に、どれだけの警戒を望みえようか。
 
 かかる視点から、ウイグル民族問題では、チベット問題とは比較にならない根の深さがある。