2009.9.7.7


 国策捜査という言葉を一躍有名にした佐藤優氏の判決が決定した。有罪判決であった。だが彼は少しもめげたところがない。外務省批判の鋭さはすこしもおとろえてはいないようだ。これ程の強さは、はたして個人の資質のみで可能なものであろうか。普通、大きな権力の前にどんな個人でもそれは、弱いものだ。
 もし、日本の国家権力よりも強いものがあるとしたら、どうであろうか。小泉元首相にも郵政民営化では、身の危険があったはずだ。そんなことはものともせずに突っ走れたのはなぜだろうかと推論をたてていくと、行き着くところは、背後にバックアップする強い権力が見え隠れする。
 佐藤優氏はノンキャリアの悲哀がある。野心家であればなおさらその悲哀の強さは想像に難くない。このように話しの流れを組み立ててみる。そこで彼の言動を見てみる。 「私の裁判にはテルアビブ大学の先生がきてくれる」 鈴木宗男氏につらなる故中川一郎がイスラエル支持を鮮明にしたと指摘されている。鈴木宗男氏といえば、佐藤優氏とタッグを組んで独自の対露外交を構築すべく奔走したことが想起される。
 アメリカではイスラエルを敵に回しては政治活動ができないのは、もはや常識となっている。我が国の国是は親アメリカである。そのアメリカの上を行くイスラエルとのなんらかの接点があるなら、これ程強いものはない。  
 外務省が佐藤優氏に強くでれない理由はもっぱら外務省の膿の部分を暴露されるのを恐れるあまりだと言われているが、そうだろうか、決してかかわりたくはないモサドというイスラエルの国が背後に控えていると言う推論も成り立ちうる。 
 ノーベル賞の呼び声が高い村上春樹氏が先頃イスラエルの賞を得た。イスラエルは第二次世界大戦時、ナチスから逃れるユダヤ人に我が国外務省の意志に反してビザを発給した外交官杉原千畝以来の関係などがある。
 佐藤優氏はモサドとの関係が指摘されているが、もしそうならば、彼の強靭さの一端を理解できる。
 北朝鮮がその気になれば、東京にうにゃうにゃいるであろう工作員により、ターゲットは、確実に生命を奪われる危険は現実だ。日本の警察は守ってはくれない。同じようにモサドを介した工作が日本に仕掛けられたら、それから逃れうる政党、ニュースメディア、行政司法もありえない。それは一つの隠された常識でもありえよう。
 だからといって、末端の批評家までもがパレスチナ問題でイスラエルべったりでは大人げないのではないか。そう思うひとはいるはずだ。