2009.9.6.30
選挙戦が近づいて、俄然さわがしくなってきた。
支持率が低迷しだした保守自民党は思案に思案の真っ最中である。
権力からずり落ちる恐怖と戦いながら一生懸命知恵に知恵を搾り出しているところである。
ここで、非常に注目すべきことは、直近の国政選挙でみせた小泉劇場に注目する必要がある。
国民はあの手の、いけいけリーダーシップに弱いし、むしろ元気印として好んでいると見えた。
陰気より、夢を見させる元気さへのシンパシーである。
60年間権力の旨みをしっかりと味わってきた者たちが、そう易々と手放すはずがない。もう深遠な仕掛けが用意され出している。
民意の質や好みも実証済みである。最悪の場合従来の連立での過半数はとれないとしても政権を維持しうる仕組みを当然視野にいれているはずだ。
その動きは東国原知事や橋下知事の囲い込みとして現れている。かれらに新党を作らせ、小泉劇場の再来をなしえれば、こんどの選挙での勝算は十分なしえる。小泉チルドレンなどの棒にも箸にもひっかからない落選予備軍を東国原−橋下新党に吸収させる。政権が目の前にみえてきた民主党がどこか古臭いイメージでかすれてしまう。民主党にとっては最大の脅威になりかねない。
自民党の深遠なる思慮深さの前に両知事は手のひらで踊らされるのは明々白々である。
人気というイメージ戦略を取り入れ始めた自民党は俄然てごわくなってきた。迎え撃つ民主党は小泉劇場の再来を阻止できるのか。このような視点から今回の選挙をみると大変おもしろい。
結論めいたことを言うならば、今回の選挙で必要なことは良し悪しは別に政権交代が必要だと言うことにつきる。60年間の垢がしみついてしまったのか、統治能力は危機的な状況にさしかかっていることは明白である。一度は小泉という稀有なキャラクターで保守政権は救われたが二度も同じような手段で維持しようとする。もし国民が同じようなおちゃらけに賛同してなんとか劇場を選択するなら、民意の質を疑わざるを得ない。それはもう、教育の問題であり、もっとおおげさに言うならば日本民族の質の問題と言うことに尽きてしまう。とにかく、居心地のいい対米関係に胡坐をかく外務省を初めとする利害関係者、国民の生命より国家の面子その他を優先する思考をする一団、数えれば切りがないほどに、ものごとの根本において、とにかくリフレッシュしなければならない状況に来ている。
現権力中枢が恐れるのは民主党などではなく小沢一郎そのものであるとは私だけの意見であろうか。かれらは小沢の排除に全力を注いだが、腰砕けに終わりそうである。
かかる権力の交替という一種の革命期には、老練な保守政権にとって、小沢一郎のいない民主党などまだまだ半人前であり、東国原ー橋下を手なずけうると等しい手なずけ易さであろう。
私は現在の政治状況についてこのような印象をもっている。