2009.11.03
「ケインス主義的赤字支出の膨大なつけを今支払おうとしている」 」
9月以降、国力的に我が国の状況はおもわしくない。国債の信用デフォルトに関係したCDSが悪化しだしている。
5年もの我が国の国債のCDSは35と他の諸国と、そんなに大差はなかったのに、ここにきて63と非常に悪化しだしている。ちなみにイギリスなどはこの数値が我が国と近く余りよくはないが、アメリカの22やドイツの21にくらべてはよくはない。
財政赤字がGDP(国内総生産)比200%を超えている状態は世界でも突出している。
国民は利息がほとんどない状態で国債を引き受けているというところで国はなんとか物事をうまく運営できていた。しかし、人口の高齢化で貯蓄率も低下していく将来にあって国民にその力は、もう期待できない。
増税という奥の手も控えているから、そうそうデフォルトということもあるまいが、ケインズ主義的赤字支出中毒が取り返しのつかない地点まで行き着いてしまった我が国の財政状況である。痛みをともなう政策も推し進めざるを得なくなることは明白である。この点、新政権はご苦労を覚悟しなければならない。
国の進路を模索するところへの消費-無駄遣いなら将来への展望が明るいが、箱物ばかりに精出してその日暮らしにあけくれた国のつけが、今に回ってきたような感じだ。
IMFの推定によれば、2014年、我が国の財政赤字はGDP比246%になる見込みだ。これは、もう諸外国に比べて驚異的な数字である。今後とも同じ生活レベルを維持して暮らしていこうとするならば、貯蓄が底をついた時点で、あるいは外国から借金をしない限りでは、税金での国民の負担に帰することになる。
国も家計も、まあ似たようなものであろう。