2009.11.02


  「鳩山政権、安全保障問題では、ここが正念場だ」 」

 鳩山政権今が正念場だ。沖縄におけるアメリカの軍事基地をめぐる問題で閣内は三者三様の意見を述べ収拾のつかない状況だ。そのなかで、鳩山首相は孤独だ。アメリカの軍事基地ををかかえる屈辱感といった理念がある反面、軍事基地移転にからむ工事費で潤う関係者が沖縄を含めてわんさといる。もはや理念では二進も三進も行かない利害の蜜に群がる利害関係だ。アメリカも当然に我が国のそういった利害関係者の後押しを心強く感じているはずだ。色よい返事がないなら11月の大統領訪日をキャンセルしちゃえ、といった意見も出るというわけだ。
 
 旧態然の思考をする官僚の発言には驚かされた。安全保障にかかわるこの問題でしくじったら鳩山政権などいまにも吹っ飛ぶぞ、といった発言である。従来の自民党とそれを取り巻く官僚を手なずけるには、ときにはハイお座り、ハイお手と、教えこみ、言うことをきかなければ脅す。これですべてはうまくいった。
 
 国防大臣の訪日ではだいぶ脅されたようだが、今のところ良く耐えている。鳩山氏の発言がふらふら定まらないのは、相当に孤独で怖いせいだ。マスコミというとてつもなくあてにはならないものが背後にひかえている。
 
 鳩山政権が崩壊するのもアメリカとの安全保障問題が一番だとは思うが、ここが正念場だ。彼が崩壊したら、野心たっぷりな菅氏へバトンタッチ?とてもじゃないが国民のなにか未知なるものに期待したことが瓦礫と化してしまう。ここは、鳩山政権にがんばってもらわないといけない。
 
 オバマ政権もある意味ではがけっぷちにたたせられている。健康保険の全加入へ向けての制度改革がかならずしもうまくいっていない。またアフガンの増派では反対の声がかなり増大してきている。
 
 アメリカとの思いやり予算減額にもメスを入れ始めた我が国に対するアメリカ側の風あたりは相当なものになると予想される。ただ、こんなおいしい日本を手放すことはしないアメリカ。
 
 鳩山氏の孤独は、なまはんかなものではないはずだ。ここは、国民を味方につけることが最良で、最強のやりかたであろうか。それには、胸を開いて、アジアにおける我が国の進むべき方向性をわかり易く、かつ理念的にお伺いをたて、だからわれわれの政権は対アメリカとの安全保障は、かくある方向にすすみますと断言することであろう。それでアメリカの脅しが強く屈せざるを得なかったとしても、そのときはそのときであろう。国民はそんなにバカではないはずだ。国民が思いもつかない知恵を出してくれるかもしれない。とにかく国民の前に胸を開いて問いかけてみることだ。